タンネのシュトレン

日本で《クリスマス》といえば、12月24,25の2日間を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。 しかし、ドイツではその4週間も前から始まります。 クリスマスマーケットが立つ11月末頃から、「3人の賢者がキリストの生まれた馬小屋を祝福に訪れた」といわれる、新年の1月6日頃まで、 街は美しい飾りとお菓子やホットワインの甘くてスパイシーな香りに包まれます。寒さが厳しさを増す時期でありながら、キラキラした街に人々があふれる光景はとても心温まるものです。シュトレンも、もちろんその「景色」に欠かせないもののひとつ。秋口から仕込みをはじめて、途中でレープクーヘンや小さなクリスマス焼き菓子を焼き足しながら、この季節の食卓に次々と届けられていくのです。この1年を振り返りながら、或いは来る年に思いを馳せながら、そしてもちろんドイツのクリスマスを思い浮かべながら、お好きな時にお好きなスタイルで是非お楽しみください。

クリスマスシュトレン

さて、シュトレンには、様々な種類のものがありますが(実はクリスマス以外にも通年お店に並べられるようなシックなレシピもあります)タンネでは、パンのマイスターが自信を持って「これぞ!!」と言えるものを作っています。 ドライフルーツの旨み、刻んだアーモンドの香ばしさとラム酒や数種のスパイス が、 パン菓子らしい軽やかな風合いをいかすよう配合されていて、初めからしっとりしたケーキとは異なります。焼きたてと時間が経ってからの味わいはかなり異なりますが、どれが正解ということはなく、味の変化をお楽しみいただきたいです。また、スライスした1枚に、お好みでバターやクリームチーズやジャムなどを塗ったり、アイスクリームに添えていただくなどのアレンジも、いろいろ試しください。

実は、タンネの最初のクリスマスシュトレンは1kgで作りました。今から考えるとビックリですが、焼きたての「パン」らしい風味がジワジワと変化する過程に感動したことは忘れられません。その後、皆様のニーズにお答えする形でサイズをいろいろ模索してきました。小さなサイズはもちろん手頃ですが、全体の重量に比べて外皮の部分が多く、どうしても硬くなりやすいです。何gで焼いても表面の大きさはあまり変わらないので、振りかけた砂糖の甘みを強く感じてしまうという面もあります。そこで2020年、パン菓子としてのシュトレンの特質にこだわりたいタンネは、ベストと思う700gのサイズに一本化することに踏み切りました。700gの一本売りと半カットの2種類だけ、思い切ったラインナップに変えてまいります。さらに上等の材料とバターの量や発酵タイムに工夫をこらしたデアモデルネ(350g)と合わせて3タイプの販売です。

シュトレンデアモデルネ(化粧箱贈答袋付き/写真の包装はイメージです)

保存に関しては冷蔵や冷凍ではなく、室内の冷暗所がおすすめです。開封後は乾燥や劣化を防げるようにしっかりと包んで、お早めにお召し上がりください。砂糖でおおわれた表面の茶色いシミはカビではなく、中から染み出したバターです。召し上がるときに度粉糖を茶漉しなどで振りかけていただくと、口当たりがまたフレッシュになります。2020年は粉糖を別袋で添えましたが、例えシミになるとしても初めからたっぷり粉糖をかけて仕上げたいという作り手の想いが強く、2021年は元に戻しています。

お買い求めには、予約不要の店頭販売が便利です。12月中旬までは品切れにくれぐれも気をつけて在庫を揃えております。ご配送にはオンラインショップをご利用ください http://bakerytanne.net 電話などでのご注文は承っておりません。また商品の性質上、スライスも承れません。 ちょっとだけお味を、というお客様には、店内イートインがお勧めです。どのくらいの厚さにスライスしているのか、という点もご参考にしていただけると思います。シュトレンは焼かずにそのまま食べますので、暮れのご多忙な時期に、薄くジャムやクリームを挟んだスライスをラップで包んでのお持ち歩きにも向きます。フレッシュな林檎のスライスも相性良さそうです。ぜひアドヴェントの季節からお正月までお好きなスタイルでゆっくりとお楽しみください。

*なお、特注サイズ調整のご相談にも応じます。できれば10月中旬までにご相談メールをお送りください。だいたいの目安として、200本以上のご注文で承ります